TBS工法(鋼管杭・中掘拡大根固め工法)
TBSの概要
「TBS(Takawaki Base System)工法(鋼管杭・中掘拡大根固め工法)」は、鋼管杭の先端部で特殊拡翼機構をもつビットにより、支持地盤を機械的に拡大掘削し、セメントミルクを低圧噴出し、撹拌混合して拡大根固め球根を築造する工法である。
本工法には、RPタイプ〔鋼管杭先端部に端板リング(Ring Plate)とシャキーを有するタイプ〕と、RBタイプ〔鋼管杭先端部に補強バンド(Reinforcing Band)とシャキーを有するタイプ〕がある。
前者は、平成9年1月31日、(財)国土開発技術研究センター(現(財)国土技術研究センター)の「民間開発建設技術の技術審査・証明事業による一般土木工法・技術審査証明要領」に基づき確認され、その後に多くの実績を積み重ねてきた工法技術であり、また、後者は前者における確認事項(要素試験、載荷試験等)を踏まえ、新たに要素試験および載荷試験等を実施して発展的に改良した工法技術である。
技術の特徴
(1)確実な拡大根固め球根
拡大ビットにより支持地盤を機械的に拡大掘削し、ビット先端部よりセメントミルクを噴出しながら拡大ビットにより反復撹拌混合するため、確実に拡大根固め球根が築造される。
(2)連続作業で効率的な施工
杭の築造は拡大ビットにより、杭の沈設から支持層の拡大掘削、セメントミルクの注入撹拌混合まで1工程で行うため、効率的な施工が可能である。
(3)低騒音・低振動工法
掘削は全てスパイラルオーガ先端に取り付けた拡大ビットにより行い、杭中空部を利用して排土するので、騒音振動公害の発生を抑制できる。
(4)環境保全
中掘り沈設時に排出される土砂は、発生土として処理できるので二次公害の発生を抑制できる。
(5)確実な鉛直支持力
杭径より大きい拡大根固め球根を築造することにより、安定した大きな支持力が得られる。
適用範囲
(1)本工法の適用範囲については、本技術審査では杭の鉛直載荷試験及び施工実績より下記のとおりとする。
①杭径D | RPタイプ 400mm≦D≦800mm RBタイプ 400mm≦D≦1000mm |
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②最大施工深さ | 400mm≦D≦800mmのとき、80.0m以下かつ110D以下 800mm<D≦1000mmのとき、51.0m以下 |
(2)杭先端地盤は、砂質土及び砂礫土とする。
(3)中間層に大きな礫や厚い硬質の粘性土がある場合や、支持層に大きな礫が密にある場合には、施工性を考慮してRBタイプの適用が望ましい。
(4)支持層中に地下水の流れがあり、拡大根固め球根の形成に支障のでる恐れがある場合には、本工法を適用しないこと。