施工管理基準(案)

本工法による基礎杭の施工は、材料受入管理、杭の建て込み、掘削・沈設、拡大根固め球根の築造、スパイラルオーガの引き抜きなど、各作業段階における管理項目と管理値を表に示す。

表 各作業段階における管理項目と管理値

工程 管理項目 管理方法 管理値
材料 鋼管杭の受入 杭種・杭径・杭長、局部的な変形 ・搬入時に目視検査 ・杭種・杭径・杭長に誤りがないこと。
・局部的な変形がないこと。
セメントの受入 新鮮度 ・搬入時に目視及び触感 ・乱袋でないこと。
・濡れてないこと。
杭打機の据付 作業環境 ・敷地内の整理・整頓 ・不要なものは場内に置かない。
作業地盤 ・土地調査報告書を参考に地盤の養生を目視で確認 ・地盤改良で補強するか敷鉄板を使用する。
・敷鉄板の標準使用量 25mm×1.5m×6m 6枚
杭の建込み 杭芯 ・チェックポイントから定規棒により確認する。 ・5cm以内
杭の建込み精度 ・トランシットまたは下げ振りで直角2方向から確認する。 ・傾斜1/100以内
掘削・沈設 先掘り長さ ・スパイラルオーガの検尺とオーガ駆動装置に取付けた油圧ジャッキにマーキング ・1.0D以内
排土状況 ・目視確認  
継手溶接 ・目視確認 ・ルート間隔 1~4mm
・目違い量 Φ700未満2mm以下
     Φ1016以下3mm以下
工程 管理項目 管理方法 管理値
拡大根固め球根の築造 支持層の掘削 支持層の確認 ・オーガモーター負荷を掘削抵抗管理装置もしくは電流計により計測し、土質柱状図と対比する。 ・試験杭で確認した値と同等以上の値とする。
拡大掘削深さ ・オーガ駆動装置に取付けた油圧ジャッキにマーキング ・1.0D+1.0m
セメントミルク セメント量 ・袋単位または重量計算 ・最小注入量(W/C=65%)
杭径
(mm)
最小注入量
(m3
セメント量
(kg)
水量
(L)
400 0.70 725 470
500 0.97 1000 650
600 1.30 1350 875
700 1.76 1825 1185
800 2.30 2375 1545
900 2.95 3050 1985
1000 3.70 3825 2490
水量 ・容量計算
比重 ・比重計により1日1回測定 ・比重範囲
 普通ポルトランドセメント:1.688~1.744
 高炉セメントB種:1.670~1.724
圧縮強度 ・圧縮強度試験 ・4週強度=20N/mm2以上
杭頭レベル止め 杭頭レベル ・レベル測定 ・設計図書で定められた値
セメントミルク注入 注入範囲 ・オーガ駆動装置に取付けた油圧ジャッキにマーキング ・1.0D+1.0m
注入時期 ・杭打機オペレーターとプラントマン間での合図 標準注入時間
杭径
(mm)
球根の注入時間
(分)
攪拌混合時間
(分)
注入混合時間
(分)
400 6 3 9
500 7 4 11
600 9 4 13
700 11 5 16
800 14 6 20
900 16 6 22
1000 19 8 27
注入時間 ・時間を測定
圧入 圧入量 ・レベルによる確認 ・1.0D圧入
オーガ引抜き・注水 注水位置 ・スパイラルオーガ長の目視確認 ・杭先端より上方3.0D以上注水引上げ
杭設置後の設計杭芯とのズレ 芯ズレ量 ・チェックポイントから定尺棒により確認する。 ・D/4かつ10cm以内

・施工記録

施工記録は、杭施工の記録を全ての杭について記録し、適切な施工管理を行う。

施工報告書は、杭施工状況を知るための重要な資料であるので、工事責任者は、施工結果を正確に記録し報告する。

施工記録には、以下の項目を記載する。

① 工事件名
② 工事場所
③ 施工年月日: 平成 年 月 日
④ 杭番号: No.
⑤ 杭材諸元: 杭外径、厚さ、長さ、
⑥ 使用機材
⑦ 施工天端: GL  m
⑧ 施工掘削深さ: GL  m
⑨ 杭先端位置: GL  m
⑩ 掘削抵抗の記録
⑪ セメントミルクの注入量
⑫ セメントミルクの比重: 1日1回
⑬ 施工所要時間: 合計  hr
⑭ その他必要事項
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